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幻想



強い日差しの中、フェンスの向こう側。

流れるメロディーが、今日も聞こえてくる。

僕の心の中、ブ厚い壁がある。

そこに書かれた文字、全ては否定文。


窓辺にいた あの花なら、とうに枯れている。

くもり空を あおぐよりも、眠る方がいい。


真っ赤な世界で独り じっと立つ僕は

何を待っているわけでもなく

いったい どこまで行けば

納得できるかなんて ちっともわからないまま

ただ 思い さまよわせてるだけ


少し苦いのかな、眉をひそめながら

飲んでるコーヒーは大人の味がする。

僕は子どもの頃、

9月に燃えあがる太陽光線が

好きだった、そう多分。


過去へ行ったあの夢なら とうに忘れてる。

嘘に心躍るよりも 本当が欲しい。


やっぱり描いていくよ 意味のある僕の愛を。

待っていて。

もう絵を描く意味がないと喘いでは

納得できず悩んでいるこの心が

今もまだ重い。

でも僕は行くから。


愛しき愛の花、咲いたの昨日かな。

慌てず芽を出した。心が肥えてくる。

僕の心の庭、生まれし花が舞う。

大きな花なのに、増えては実をつける。


数えきれぬこの花なら全て託しても

裏切りはしないだろうと信じられるから。


なんにも描いていない真っ白な紙があるよ。

満開の花の絵で埋めつくそう。

そして君と やっと嬉しい気持ちを分け合える。

枯れない花 育てよう。

まぼろし消えるまで。

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